「スティーブ・ジョブズが亡くなったのに、なぜアップルは成長を続けているんだろう」
「ティム・クックのリーダーシップについて知りたい」
ティム・クックはスティーブ・ジョブズ亡き後のアップルCEOです。
偉大なカリスマが去った後のアップルの成長を加速させ、時価総額世界一を達成するなど卓越した経営手腕を持っています。
しかし多くの書籍が出版され、映画化までされたジョブズに比べると、その人間性は謎に包まれています。
今回の記事では、そんなクックの人柄と彼の持つリーダーシップについてご紹介していきます。
この記事でご紹介する内容は以下の3点です。
- ティム・クックの生い立ちとアップルの経営者としての活躍
- アップルを世界一の企業に押し上げたティム・クックの人物像
- スティーブ・ジョブズとティム・クックのリーダーシップの違い
Contents
ティム・クックの生い立ちと経営者としての活躍
ティム・クックとはどんな人物なのでしょうか。まずは彼の生い立ちとアップルのCEOに就任してからの活躍をご紹介していきます。
ティム・クックの生い立ち
ティム・クックは1960年にアメリカ南部のアラバマ州で生まれ、オーバーン大学で生産工学の学士を取得するとIBMに就職。IBMで将来有望な若手と見られていたことからリーダーシップカリキュラムの一環でMBAを取得。コンピュータメーカーのコンパックの副社長を半年間務めた後でアップルコンピュータに入社しました。
クックはアップルのオペレーション部門を担当する上級副社長として生産や販売、在庫管理を担い、財政を健全化させていきました。
アップルを創業したスティーブ・ジョブズは新たな製品を世に生み出すコンセプトづくりや開発には天才的な才能を発揮しましたが、その一方で生産管理や財務などの企業経営は得意とはいえず、苦手な分野をクックが支えるようになりました。
そして、クックはアップルの世界展開を担うワールドセールス部門とオペレーション部門と兼務で担うようになると、一気にアップル製品を世界中に広めていきました。アップルの世界進出を支えたのはクックと言っても過言ではなく。2005年から最高執行責任者としてジョブズの右腕としてアップルの成長を支え続けました。
アップルの経営者として
ジョブズ亡き後、アップルは凋落の道を辿ると言われていましたが、クックの卓越した手腕によりアップルは時価総額世界一への道を駆け上がっていきます。
ジョブズが亡くなった2011年10月のアップルの株価は1株50ドルでしたが、2018年8月には1株207ドルまで向上しました。
この間、主力のiPhoneを世界中で年間2億台以上販売し、前評判が低かったApple Watchを見事ヒットさせるなど、アップルの業績を向上させています。時価総額は100兆円を超え、日本の国家予算に匹敵するまでに成長しました。
このように、クックはアップルを世界最高の企業に育て上げて行ったのです。
アップルを世界一に押し上げたティム・クックの人物像
アップルを世界一の企業に押し上げたティム・クックですが、彼はどんな人物なのでしょうか。この章では、彼の人物像についてご紹介していきます。
平等と正義を重んじる
クックは白人でしたが黒人差別が根強い南部で育ち、人種差別が横行している状況に反感を持っていました。特に中学生のときにKKK(クー・クラックス・クラン=アメリカの黒人差別組織)の集会に遭遇した経験から、命をかけて差別と戦ったキング牧師を尊敬し「平等こそが正義である」という信念を持つようになりました。
2015年には、10歳の甥が教育を受けるための資金を除く全財産を寄付したことで注目を集めましたが、2020年には新型コロナウイルス感染症の流行に対して1000万枚のマスクの寄付や医療機関へ寄付するなど、慈善活動に精力的に取り組んでいます。
同性愛者であるということをカミングアウト
クックは私生活についてあまり公にしませんが、2014年には自身が同性愛者である事をカミングアウトしています。
彼はカミングアウトするときに「もし「アップルのCEOがゲイだ」と耳にすることで、自分が何者であるかともがき苦しんでいる誰かを助けることができるのなら。そして、孤独を感じている人の心を和らげ、自分たちの平等を主張する人々を勇気づけることができるのなら、私のプライバシーを捧げる価値は十分にある」と語っており、これに多くのLGBTQの人たちが勇気を得たのは想像に難くありません。
多様性と持続可能な企業づくりに注力
クックは企業の社会的責任を重んじており、多様性と持続可能性のある企業づくりに取り組んでいます。
これまで白人男性中心だったアップルの経営陣を改め、優秀であれば人種や性別を問わず役員に抜擢しました。さらに役員だけでなく社員の人種や性別、役職を公開することで公正な企業であり続ける意思を示しました。
持続可能な社会を作るために、環境問題への取り組みや部品供給メーカーの労働条件の改善に着手。また、日本以上に教育格差の激しいアメリカで公教育の充実を図るため公立学校に1億ドル分のアップル製品を寄付するなど様々な取り組みを行なっています。
スティーブ・ジョブズとティム・クックの違い
アップルといえば誰もがスティーブ・ジョブズをイメージしますが、ビジネスマンとしての能力でいえばティム・クックは勝るとも劣りません。この章では、対照的にも映る二人のリーダーシップの違いについてご紹介していきましょう。
ジョブズは強烈なカリスマで組織を引っ張るトップダウン型
ジョブズは自分の直感を信じて突き進むカリスマ型の経営者です。攻撃性が強い性格で自分の気に入らない仕事は徹底的に批判し、時にはかんしゃくを起こすこともありました。この性格が災いして、一度はアップルを追放されてしまったほどです。
しかし、ジョブズのイノベーターとしての能力は誰もが認めるところであり、だからこそ気難しい性格のジョブズに認められる仕事をするために多くの社員が奮闘しました。
明確なビジョンを示し、そのビジョンに到達するためには手段を厭わず組織を引っ張るのがジョブズ式のリーダーシップです。
ボトムアップ型で部下と共に歩むクック
ジョブズとは正反対とも言われるほど温厚な性格のクックは、オペレーション部門出身ということもあり、ボトムアップ型のリーダーシップです。
ジョブズのように、自分だけが見えている世界に部下を引っ張り込むのではなく、全員が同じビジョンを描いて目標に向かえるように丁寧にビジョンを示します。
クックがCEOに就任した後のアップルは、環境問題や部品供給メーカーの労働条件の改善など、企業として持続可能な社会づくりに参画するようになりました。これはアップル1社だけでビジネスは成立しないという事をクックが理解していたからでしょう。
正義と公平を重んじ部下と共に歩むクックには、自然と多くの社員が集まり、彼の示すビジョンを達成するために誰もが自分の持ち場で努力するようになりました。
ジョブズとクックに共通するのは「仕事への愛」と「自分を信じること」
対照的に見える2人のCEOですが共通点もあります。それは「仕事への愛」と「自分を信じる事」です。
ジョブズが寝食どころか家族の存在を忘れて製品の開発に没頭していた事は有名ですが、クックも誰よりも早く出社し、誰よりも熱心に仕事をこなしており「仕事が趣味」というほど仕事を愛しています。
2人ともアップルの製品を愛し、ジョブズは「どうすればより良い製品を生み出せるか」を考え、クックは「どうすればより多くの人に届けられるか」を考えていました。
また、ジョブズは「自分の心と直感に従う、勇気を持ちなさい」という名言を残したように自分を信じて激動の人生を駆け抜けていきましたが、クックも同じように「自分を信じる事」の大切さを説いています。
特にクックは、ジョブズ亡き後で投資家やメディアから「彼はジョブズのようになれるのか?」と散々に揶揄されました。
しかしクックは「朝起きたとき『ジョブズならどうしたかと考えず、ただ、正しいことをするんだ』と自分に言い聞かせているんだ」「私は最高のティム・クックになれるよう努力しているのです」と語っているように、周囲の「ジョブズの後継者」ではなく「最高の自分になる」という事を目指して努力を続けました。
この自分を信じて好き進む姿勢が、アップルを世界一の企業に導いていったのです。
スミタイ向上委員長のまとめ
スティーブ・ジョブズと比較されがちなティム・クックですが、彼がいたからこそアップルは時価総額世界一の企業に成長できたといっても過言ではありません。
リーダーシップには様々な形がありますが、クックのようなボトムアップ型のリーダーが求められる組織もあります。特に成熟企業では調整力やビジョンを示して共に歩む姿勢は重要です。
皆さんも、将来は組織のリーダーになることが期待されているでしょう。ぜひ、その日のために自分がリーダーになったらどんなリーダーシップを発揮していきたいかを考えながら、仕事に取り組んでいってください。
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