「ガツガツしすぎて顧客に引かれてしまう」
「仕事ができる上司のようにスマートなクロージングをしたい」
営業においてクロージングは成約を左右する最も重要なポイントです。しかし、クロージングに慣れていないと契約を受注することに焦ってしまい、顧客の状況を無視して強引にクロージングしてしまう可能性があります。
あまり強引なクロージングは成約が見込めなくなるだけでなく、顧客との信頼関係も失われてしまうため注意が必要です。そこで、今回は顧客との信頼関係を深めつつ契約を受注する「ノンクロージング営業」についてご紹介していきます。ノンクロージングによって顧客と信頼関係を築きながら納得して購入をしてもらえる方法について学んでいきましょう。
この記事で紹介する内容は以下の2点です。
- ノンクロージング営業の概要
- ノンクロージングに必要な3つのテクニック
Contents
ノンクロージング営業の概要
まずは、ソリューション営業とはどのような営業スタイルかを紹介していきましょう。
ノンクロージング営業とは、顧客が納得して購入するための意思決定を後押しする営業手法
営業活動とは、最終的には顧客に自分が提案した商品を購入してもらうためのプロセス全般を指しますが、営業の中でも特に重要なプロセスが「クロージング」です。クロージングとは、提案した商品を顧客が購入する意思決定を後押しするプロセスのことで、クロージングに失敗してしまうと、これまでの営業プロセスが水泡に帰してしまいます。
クロージングを行う場合の多くは、提案後に一定期間を開けて顧客の検討状況を確認しつつ、顧客が購入の意思を決めるために「説得」します。しかし、営業担当からのクロージングが適切ではない場合や、説得されたと感じる場合には顧客が心理的に反発して契約を見送ってしまったり、無理やり購入させられたと感じて不満を抱くケースがあります。
説得によって顧客に反発や不満をもたれてしまうと、現在提案しているビジネスだけでなく、今後のビジネス関係が崩れてしまう可能性があります。今後の顧客との関係に営業を及ぼす可能性があるため、クロージングを行うにあたっては十分な注意が必要です。
これに対してノンクロージング営業は、顧客が納得して商品を購入するための意思決定を顧客自らが行う手法です。クロージングと違い説得しないので、顧客が納得した状態で商品の購入を決定します。顧客は自分が納得して商品を購入する意思決定を行うため、営業担当に対して悪印象を抱くことはなく、良い結果が出ればより深い信頼関係を築くことができるでしょう。
「説得する営業」と「納得させる営業」の違い
クロージングとノンクロージング違いは、一言でいえば「説得する営業」か「納得させる営業」かの違いです。クロージングの場合、顧客を説得するために以下のような営業トークを用いる場合があるでしょう。まずは一度確認してください。
・(商品を購入するかどうか)いつ頃決めてくれますか?
・同業他社は、みんな導入していますよ
・早く導入した方が御社のためです
・月末までに決めてもらえませんか?
・いま決めてもらえれば、1割値引きします
・ここで決定してもらえない場合は、他社が購入することになります
いかがでしょうか。このような営業をしている心当たりがある場合はクロージングの方法を今一度見直す必要があります。その理由は、どれも「営業(売り手)都合の営業トークだから」です。
商品を購入するかどうかを決めるのはあくまで顧客のはずなのに、営業が自社の都合を優先して顧客に購入を迫るというケースは珍しくありません。このようなトークは、最終的には顧客が商品の購入を決定したように見えますが、そのプロセスにおいて営業によって選択肢を奪われてしまっています。これでは本当の意味で顧客が納得した意思決定とは言えず、少なからぬ反発を抱くでしょう。
説得技法は圧倒的な商品力があれば成立するでしょうが、顧客との信頼関係が成り立たないため、商品力が落ちてしまうと一気に契約を切られてしまう可能性があります。
これに対しノンクロージングによって「納得させる営業」を行うと、購入に関するプロセスも含めた意思決定を顧客が行うため、納得して商品を購入できるだけでなく、担当した営業担当に対して「自社のために提案してくれた」と好感を持つでしょう。
ノンクロージングは営業から顧客に購入を働きかけるのではなく、営業の発する言葉によって顧客が自分の思考や、これから対応すべきタスクを整理します。「説得」も「納得」も、最終的な目的は同じですが、そのプロセスから「説得」の方が失注する可能性が高く、長期的なビジネスにも結びつきにくくなります。
ですからクロージングの場面では、ノンクロージングによる顧客との関係構築を意識しておきましょう。
ノンクロージングに必要なテクニック3選
ノンクロージング営業によって顧客に納得して商品購入をしてもらうためには、ノンクロージングの3つの技法を習得しましょう。ここで、ノンクロージングに必要な3つのテクニックを紹介していきます。
テストクロージング
テストクロージングとは、本格的なクロージングに入る前に顧客の購買意欲を計る技法です。ノンクロージングは、顧客が納得して購入する意思決定のサポートをする技法なので、テストクロージングによって顧客の購買意欲を見極めて、次のアクションを起こすことが大切です。
テストクロージングを行うためのトークとしては、以下のような内容が挙げられます。
・仮に購入する場合、どんな点が気になりますか?
・もし購入するとしたら、時期はいつ頃が適切だとお考えですか?
・購入を検討するにあたって、不足している情報はありますか?
このように「仮に」や「もし」といった仮定形で話しかけることで顧客へのプレッシャーを減らしつつ、顧客に購入する場合をイメージしてもらうことで実際の購入時の心理的ハードルを下げていきましょう。
選択肢の提示
人は、選択肢がなく「選ばざるを得ない」状態での意思決定にストレスを抱きます。説得のクロージングは顧客の選択肢を奪う技法なので、顧客を本心から納得させるのは難しいでしょう。
一方、ノンクロージングは「選択肢の提示」を行います。これは、顧客の意思決定を「複数の選択肢の中から自分で選ぶ」という形にすることで、顧客に納得してもらうためです。
選択肢の提示の最もポピュラーな例が複数の見積もりや提案を出すことです。プランを金額ごとに大・中・小(または大・小)に分け、その中から顧客に最も欲しいと思う商品やプランを選択してもらいます。
選択肢の提示には他にも「商品の導入時期は早い方が良いですか?それともすぐには必要ありませんか?」「試しに、商品のサンプルを取り寄せましょうか?」など様々です。
ノンクロージング営業の主要な技法が選択肢の提示ですので、営業プロセスの中では、こちらが全てを決めるのではなく、適宜選択肢を顧客に提示していきましょう。
傾聴技法
傾聴技法とは、自社の商品をひたすらアピールするのではなく、顧客の悩みをひたすら聞き、顧客が本当に困っていることを引き出す技法です。傾聴技法で大切なのは顧客の話を深掘りする質問力です。
例えば、顧客が「いま、集客で悩んでいるんだよね」と話したら、「では当社の商品はいかがですか?」とすぐに自社商品の営業に入るのではなく「集客のどのプロセスで苦労されているのですか?」「現状では、どんな対策を取っているのですか?」と、顧客の話を具体的にし、顧客の本質的な悩みを明らかにする質問をおこなうのが傾聴技法です。
傾聴技法をマスターするとクロージングだけでなく、顧客とのリレーションが取りやすくなります。一流のビジネスパーソンを目指すのであれば、ぜひ習得しておきましょう。
スミタイ向上委員長のまとめ
ノンクロージング営業は顧客に納得して商品を購入してもらう営業方法なので、成約後も良好な関係を築けるため、長期間にわたってビジネス関係の構築が期待できます。ノンクロージング営業はまだ認知度が低い営業手法なので、マスターしておくと説得によるクロージングを主とするライバルよりも成果を上げやすくなります。
ノンクロージングは顧客の発言や仕草、表情から顧客の真意を読み取り、適切な質問の投げかけや傾聴が求められるので難易度が高い営業手法ですが、一度マスターすれば営業パーソンとしての資質を大きく向上させられるでしょう。ぜひ、ノンクロージング営業をマスターし、顧客が納得できるようなセールスを行っていきましょう。
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