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『ページング』と『傾聴』コミュニケーションの質を更に高める活用方法

アイキャッチ
スミタイ向上委員長
スミタイ向上委員長
「人間関係をスムーズに構築できるようになりたい」
「これからマネジメントをするようになるので、良いコミュニケーション技法がないか探している」
「コミュニケーション能力をもっと高めたい」

「ページング」と「傾聴」は対人コミュニケーションを円滑にするための技法です。どちらも心理学の分野で活用されている概念であり、ビジネスに取り入れることでより良好な人間関係が築けるようになります。

そこで今回は、ページングと傾聴の内容や活用方法について紹介していきましょう。

この記事で紹介する内容は以下の3点です。

  • 相手と会話のトーンやテンポを合わせる「ページング」
  • 相手の会話に耳を傾ける「傾聴」
  • ビジネスシーン別のページングと傾聴の活用法

相手と会話のトーンやテンポを合わせる「ページング」

相手と会話のトーンやテンポを合わせる「ページング」

ページングは、会話をしている相手との声のトーンやテンポ、呼吸のリズムなどを合わせる技法のことです。信頼関係を構築するためスキルの一つであり、相手の言動と自分の言動を合わせることで相手に親近感や安心感を抱かせることができます。

ページングをコミュニケーションに取り入れることによって、特に初対面の相手とスムーズに信頼関係を構築できるようになります。ここでは、ページングをする上で意識しておくと良い4つのポイントについて解説していきましょう。

ページングのポイント1「呼吸のリズム」

最初のポイントは「相手と呼吸のリズムを合わせること」です。息をしているタイミングを合わせると、後述する会話のテンポや声のトーンが合わせやすくなります。呼吸のリズムは一見するとわかりづらいですが、肩の動きやお腹の動きから察知できます。最初は慣れませんが、洞察力を養うトレーニングにもなるのでぜひ取り組んでみてください。瞬時に呼吸のリズムを一致させられると相手は安心しやすくなるため、初対面の場合では呼吸のリズムを合わせることを意識してみましょう。

ページングのポイント2「声のトーン」

2つ目のポイントは、声のトーンです。声のトーンは、声量の大小や音の工程などを相手と近づけることです。相手が声を潜めた場合には、こちらも声をひそめて話し、相手が大きな声で笑ったときにはこちらも同じような声量で笑いを返します。このように、相手の朝合わせることで相手に親近感を持ってもらうことが可能です。

他のポイントに比べて取り組みやすいので、呼吸のリズムがうまく読み取れない場合には、まず声のトーンを合わせるところからチャレンジしてみましょう

ページングのポイント3「会話のテンポ」

3つ目のポイント会話のテンポです。相手がゆっくり話しているときにはこちらもゆっくりとした口調で、相手が早口で会話をしている時はこちらも早口で話します。会話のテンポは呼吸の深さと関連があり、テンポが速い人は呼吸が浅くなりテンポがゆっくりの人は呼吸が深くなるため、相手の呼吸が意識できていると会話のテンポを合わせやすくなります。

会話のテンポがズレていると「この人に自分の話が伝わっているのか?」と不安になりがちで、逆に一致していると相手は「自分の話を理解してくれていると」感じて安心感を持つことができます。会話をする場合にはできるだけ相手と同じテンポを心がけて話しましょう。

ページングのポイント4「口癖や言い回し」

4つめのポイントは口癖や言い回しなどの話し方を一致させることです。擬音語が多い人には擬音語を多用し、結論から話し始める人には結論から話し始める。相手が「暑い」と言えばこちらも「暑い」と言い、「今日は涼しいね」と言えば「涼しいですね」と伝え返します。このように、口癖や話し方を一致させると相手は親近感を抱きやすくなります。

似ている概念に「ミラーリング(相手の言動をそのまま伝え返す)」が挙げられますが、ミラーリングのように無条件に相手の言動に対してその場で反射するのではなく、相手の特徴を掴んだらこちらから率先して相手の特徴に触れていくのがポイントです。ただし、あまり露骨になると相手が不快に感じる可能性があるため、バランスが大切です。

これら4つのポイントは、「自分と同じような言動する人に親近感を抱く」という人の心理構造に合わせたテクニックです。ページングができる人は初対面の人ともすぐに打ち解けることができるので、特に人見知りなど初対面が苦手な場合にはページングに挑戦してみてください。

相手の会話に耳を傾ける「傾聴」

相手の会話に耳を傾ける「傾聴」

傾聴は、ページングと組み合わせて使うコミュニケーション技法の一つです。ページングが相手の声の大きさやリズムなど、主に「動き」を合わせるのに対して、傾聴は相手の会話の内容にしっかりと耳を傾ける技法です。

心理学では話し手と聴き手の間に信頼関係が築かれることをラポールといいます。ビジネスにおいては、ラポールが形成されていない状態で商談を進めても良い結果には結びつきません。商材にもよりますが、特に高額商材の場合は初回〜3回目の訪問まではラポール形成期と考えて、しっかりと相手の発言を傾聴して信頼関係を築く必要があります。

ここでは傾聴に必要な2つのポイントについて解説していきましょう。

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傾聴のポイント1「受容」

ラポール形成において重要なのが傾聴であり、傾聴に必要な最初のポイントが「受容」です。受容は傾聴のなか最も重要な考え方であり、相手の発する言葉を自分の価値観や考え方で評価したり、批判をせずに、相手の言葉としてありのまま受け止めることです。

相手の発言を聞きながら、発言内容に対して自分の頭の中で反論したり、セールスポイントを考えたりするのは受容的なヒアリングではありません。相手が発言した内容をそのまま受け止め、例えば相手が「困っているんです」と発言したら商品のセールスを始める前にまず相手の気持ちを受容することに意識を振り向けましょう。

後述する「共感」にも共通していますが、会話の流れを遮るのは傾聴ではないため、会話を遮りがちな人は信頼関係の構築が難しくなります。人の会話に口を挟むのが癖になってしまっている場合には、まず途中で相手の発言を遮らずに最後までしっかり話を聞くことを意識してみましょう。

ページングのポイント2「共感」

2つ目のポイントは「共感」です。共感とは相手の会話に対して好意的に同意することです。顧客の課題や、部下や後輩の悩みを聞いているときにはついアドバイスをしてしまいがちです。しかし共感で重要なのは相手の発言をより深く理解することです。例えば、相手が「困っているんです」と発言したら、発言に対するアドバイスではなく「困っているんですね。具体的にどんなことにお困りか教えていただけますか?」とより相手の考え方や価値観が反映されるように質問し返します。

このように、相手の発言に対して共感的な態度で接していると相手からの共感を得ることができる上に、相手の抱える課題をしっかりと把握できるようになります。人は自分のことを理解してくれていると感じられる人に信頼を寄せる傾向があります。共感を活用してスムーズにラポールを形成することがビジネスで成果を上げるために効果的です。

ビジネスシーン別のページングと傾聴の活用法

ビジネスシーン別のページングと傾聴の活用法

これまでページングと傾聴の内容について紹介してきました。ここでは上司、顧客、部下・後輩とビジネスシーン別にどのようにページングと傾聴を活用してコミュニケーションを取っていけば良いかを紹介していきます。

上司向けの活用方法

上司と接する場合にはページングを意識したコミュニケーションを心がけましょう。特に声のトーンや会話のリズムなど非言語のページングが効果的です。口調や擬音語の使い方が特徴的な上司に対して不要にページングをすると「馬鹿にしているのか?」と思われてしまう可能性があるため注意してください。あくまで自然な対応でなければページングは効果を発揮しません。初めてページングに挑戦する場合には、上司とランチに行った時に同じ注文をする。上司の発言に対して肯定する。声のトーンや会話のテンポを合わせるなど合わせやすい部分からページングを始めてみましょう。

顧客向けの活用方法

顧客向けにはページングと傾聴の両方をうまく使っていきましょう。初対面など信頼関係を構築する前であればページングによって信頼関係を構築し、心を開いて会話をするようになったら傾聴にポイントをシフト。より深い顧客の悩みに耳を傾けます。

顧客の悩みが深刻なほど、顧客の信頼を得やすくなります。信頼関係があると大きな金額の動く商談も取り付けやすくなります。しっかりと傾聴し、顧客の課題を解決できるように心がけてください。

部下・後輩向けの活用方法

部下や後輩向けにはページングよりも傾聴を意識たコミュニケーションを心がけましょう。ビジネスにおいては自分の方が経験も実績も上なので、つい自分の価値観で指導してしまいがちです。しかし部下や後輩にもそれぞれの価値観や考え方があるので、それを否定してしまうと信頼関係は築けません。逆に、傾聴して相手の意見を受け入れると「この人は自分のことを分かってくれる」と親近感を持ってもらいやすくなります

マネジメントの基本は信頼関係の構築です。信頼関係がないまま会社から与えられた権限だけを行使していても逆効果です。信頼していない人間からの叱責や指導は反感を抱く原因にもなるため、まずはラポールの形成を重視したコミュニケーションを心がけていきましょう。

スミタイ向上委員長のまとめ

スミタイ向上委員長のまとめ

ページングと傾聴はコミュニケーションの質を高めるために有効な技法です。コミュニケーションの技法をマスターすると顧客・社内共に人間関係がスムーズに構築できるようになるでしょう。本来、ページングや傾聴を身につけるためには専門的なトレーニングが必要ですが、まずはそれぞれの技法の特徴を理解して自分なりに取り組んでみてください。

良好な人間関係を築けることは、ビジネスだけでなく人生全般に良い影響を与えます。ぜひ、積極的にページングや傾聴の技法習得に取り組んでみてください。

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