「追客をしても成約がうまくいかなくて困っている」
「成果の出る追客のポイントを知りたい」
不動産営業は単価が高く、他の商品に比べて顧客の意思決定までの時間が長いのが特徴です。不動産を販売する場合、顧客との接点が長くなりがちなので、しっかりと顧客の心を掴み、購入まで意欲を高めていく必要があります。
そこで有効なのが「追客」です。追客は顧客と定期的に接点を持ち、顧客とのリレーションや購買意欲を高める手法です。
今回は、不動産営業に欠かせない追客をする上で重要なポイントについて解説していきましょう。
この記事でご紹介する内容は以下の3点です。
- 追客の目的を考えよう
- 追客を始める前にやることを押さえておこう
- 効果的に追客するために必要な3つのポイントを理解しよう
Contents
「追客」の目的を考える
不動産は商材が高額なので、顧客は意思決定に慎重になるため購入の決定までに長い時間がかかります。そこで重要なのが「追客」です。まずは追客の目的を整理しておきましょう。
追客の意義
不動産営業は商材が高額でライフサイクルが長いため、顧客の購入を慎重に検討します。検討の際、数ヶ月の場合もあれば、数年にわたる可能性もあります。この際、数年後に購入を検討している顧客を逃してしまうと、将来的な営業に影響が出てしまいます。そこで、すぐに購入しない顧客に対しても、将来的な見込みとしてアプローチを続けていく必要があります。
すぐには購入の見込みがなくても、将来的に購入が期待できる顧客と関係性を保ち続けるために、定期的に行うアクションが追客です。追客によって顧客との関係を維持することで、顧客が購入の決心をした際に確実に受注に繋げられるでしょう。
追客の方法
追客の方法は様々ですが、主には以下のような方法が取られます。
・電話
・メール
・手紙やメッセージカード
・訪問
アメリカの伝説的な営業マンであるジョー・ジラード(15年間で13,001台の車を販売=毎月約72台の車を販売)は、季節ごとに必ず全ての顧客に自筆のメッセージカードを送っていました。
メッセージカードの内容は時候の挨拶に加えて、顧客の車がメンテナンスの時期に差し掛かっていることや、オイル交換などのサービス期間であることなどをアナウンスしていました。
このように顧客に忘れ去られないために行うアクションが追客です。購入してくれる見込みの高低に関わらず、全ての顧客に行うことがポイントです。近年ではメールマガジンで定期的に顧客にメールを送信するのが主流となっています。また、「ステップメール」も有効な追客の方法です。
ステップメールとは、特定のアクションを起こした顧客に対して事前に用意したメールをスケジュールに沿って配信するメールマーケティングの方法です。ステップメールは 顧客のアクションごとに自動送信されるため、メールマガジンのように一律対応されている印象を持たれず、特別感を演出できます。追客を自動化できるため、顧客の多い営業にとってはとても有効な手法です。
追客を始める前にやること
追客を始める前に取り組むべき事が2点あります。そこで、追客を始める前に必要な「顧客の整理」と「アプローチ方法の決定」です。それぞれの内容を解説していきましょう。
顧客を整理する
追客をする最初のステップは顧客の整理です。顧客を購入が期待できる時期に合わせて「1ヶ月以内」「3ヶ月以内」「半年以内」「1年以内」「1年以上」とセグメントします。
当然、購入が期待できる時期が近い方が優先順位は高くなり、優先順位の高い順番に追客を行っていきます。また、顧客の資産状況や成約金額によっても優先順位は変化します。制約までの時間軸と、成約時の金額をマトリクスにして、より優先度が高い顧客から順に追客を行っていくと良いでしょう。
1ヶ月以内の顧客に対しては基本的に電話や訪問などクローズドな接触を心がけ、3ヶ月以内から1年以上の顧客はステップメールや手紙など、営業の負荷にならないような手法を心がけていきます。
顧客ごとのアプローチ方法を考える
顧客を整理したら、優先順位ごとにアプローチ方法を検討します。優先順位が高ければ、可能であれば訪問によって追客を行い、優先順位が下がるごとにステップメールなど間接的なアプローチになっていきます。
顧客の趣味や興味関心をしっかりと把握しておき、その内容に合った追客やメッセージの発信をするのがベストです。また、特に優先度が高い顧客であれば重点的にアプローチすることを心がけましょう。
効果的に追客するために必要な3つのポイント
追客の方法を理解して顧客の整理がついたら、あとら優先順位ごとに追客を行っていくだけです。そこで、この章では追客を成功させるために必要な3つのポイントについて解説していきましょう
契約を迫らない
追客で最も重要なのが「契約を迫らない」ことです。中には契約欲しさに「いつごろ契約しますか?」「今ならこんなサービスをつけます」と前のめりに営業する営業もいます。
しかし、このようなアプローチは却って顧客離れを招きます。追客はあくまで顧客との接点を維持し、顧客の購入意欲を高めるためのプロセスです。人は基本的に意思決定を他人から迫られることに不快感を抱きます。顧客からの信頼を失わないように、あくまでも情報提供や購入意欲を高めるための活動を中心にするよう心がけましょう。
顧客のレスポンスにすぐ対応する
これはメールを使った追客において重要なポイントです。追客用のメールを送り、顧客から返信やキャンペーンの登録などのレスポンスがあったときにすぐに対応することです。
顧客からレスポンスがあったということは、顧客は何らかの興味関心を示しているという事です。顧客からのレスポンスは時間から経過するほど熱意が低下するためすぐに対応しましょう。ここで顧客の興味関心を把握し、購入意欲を上昇させることができれば、制約への道が大きく開けます。
顧客に負担を押し付けない
追客でやりがちなのが「ぜひご来店ください」というセールストークやアクションです。しかし、このトークは十分に顧客と信頼関係が構築できていない場合には却って逆効果となってしまいます。顧客にとって店に訪問する、営業と会うというのは思っている以上に心理的ハードルが高いものです。
あまり負担を押し付けてしまうと「営業からの案内や依頼を断らなければならない」と負担感が増してしまい、連絡が来ることを疎ましく感じてしまう可能性があります。こうなってしまうと顧客の購入意欲が高まったときに「他の営業から買おう」と思われてしまう可能性があります。十分に顧客と信頼関係を築くまでは来店や対面する希望を伝えず、顧客が「この人に相談したい」と思うまでは情報提供を中心とした「ギブ」を心がけていきましょう。
スミタイ向上委員長のまとめ
追客は不動産営業のように単価が高く、顧客が意思決定するまでに時間を要するビジネスでは不可欠のテクニックです。追客は顧客と関係を持ち続けるために営業が自然な形でアプローチする手法であり、顧客との関係を深めるチャンスでもあります。
追客がうまい営業は、購入意欲が高くない顧客に対しても、時期に合わせた追客をすることで購入意欲を高めて成約に繋げます。逆に、顧客の購入意欲の高低を無視してセールス一本の商談を進めてしまうと顧客の心は離れていってしまいます。
皆さんも、追客では顧客の意欲や優先順位に合わせて最適な追客を行い、より多くの顧客を成約に結びつけていきましょう。