- 「仕事を人に頼むのが下手で困っている」
- 「自分がいないと仕事が回らないから、常に仕事に追われている」
- 「社内のエースだという自覚はあるけど、ずっとこのままで良いのだろうか…」
世界2位の店舗数を誇るマクドナルド。この企業についてビジネスの観点から知られているのが徹底したマニュアル化です。マニュアル化というと「誰にでも同じ仕事を要求する」というイメージを持たれがちですが、マクドナルドは接客だけでなくビジネスそのものを「仕組み化」することで世界中のあらゆる国や地域でビジネスを展開可能としました。
今回は、マクドナルドで仕組み化を進めて世界最大のファストフードチェーンに育て上げたレイ・クロックの生き様と、ターンキーシステムの概要と有効性をご紹介していきましょう。
この記事でご紹介する内容は以下の3点です。
- レイ・クロックの生い立ちとマクドナルドの成功
- 「ターンキー革命」によるイノベーションとは
- 誰でもターンキーシステムによってビジネスを効率化できる
Contents
レイ・クロックの生い立ちとマクドナルド
マクドナルドを世界最大規模のファストフードチェーンに育て上げたレイ・クロック。まずは彼の生い立ちとマクドナルドとの出会いについてご紹介します。
旅先での運命の出会い
レイ・クロックは1902年にアメリカ・シカゴで生まれ、第一次世界大戦が勃発すると年齢を偽って軍に入隊。戦後はピアニスト・紙コップのセールスマン・ジャズ演奏家・バンドメンバーなど様々な仕事に就いていました。
1941年に5種類のミルクセーキを作る機械「マルチミキサー」の独占販売者になると全米を周り、機械を売り歩きました。そして1954年にカリフォルニア州サンバーナーディーノで運命的な出会いを果たします。
1948年にサンバーナーディーノでハンバーガーのドライブインストアを開業したマクドナルド兄弟の元を訪れたクロックは限界まで簡略化・効率化された調理システムに着目。厳選されたメニューを高品質で素早く提供するファストフードの将来性に気づきました。
事業の拡大を目標にしていなかったマクドナルド兄弟を説得するとフランチャイズ権を獲得。1955年に故郷のイリノイ州に最初のフランチャイズ店を出店しました。
クロックの狙いは当たり、フランチャイズのスタートからわずか3年で1億個のハンバーガーを売り上げ、誕生から8年で全米に500店舗を展開するに至りました。
マクドナルド兄弟との決別と世界一への軌跡
順調に進むかに見えたビジネスですが、マクドナルドがファストフード店として成長するのに反比例してクロックとマクドナルド兄弟の仲は悪化。特に利益の分配率を巡って対立すると関係修復は不可能となり、1961年にクロックがマクドナルドの経営権を買収することで決着しました。
経営権を取得したクロックは一気にビジネスを加速させ、1965年に株式公開。1967年にカナダへの出店により海外進出をスタートすると約20年で世界8500店舗まで拡大。現在では世界約35,000店舗を展開する世界最大のファストフードチェーンに成長しました。
マクドナルドの「ターンキー革命」
事業領域に関わらずビジネスを大きくする究極の方法は「自分がいなくても仕事が進む」という状況を作ることです。この章ではレイ・クロックが起こした「ターンキー革命」に就いてご紹介していきましょう。
レイ・クロックのビジネスはハンバーガーを売ることではない
レイ・クロックはマクドナルドを育て上げた功績者として知られていますが、彼が世界中に売り歩いていたのはハンバーガーではなく「ファストフードビジネス」そのものでした。
レイ・クロックはゴールドラッシュの時に開拓者にスコップを売る商人のように「儲ける手段」を世界中のオーナーに売り歩いていったのです。儲けるためには手段が必要で、その手段とマクドナルドが持つブランドを提供することで世界最大のファストフードチェーンになったのです。そして、この成長を支えたのが「ターンキーシステム」です。
ターンキー革命とターンキーシステムの本質
ビジネスを大きくする為にはフランチャイズオーナー・社員・現場スタッフなど多くの人材がビジネスに参画することになります。ターンキーシステムがイノベーションを起こした理由は「普通の人」を「一定の能力が発揮できるスペシャリスト」に育てる仕組みを作り上げたことにあります。
ターンキーシステムは4つの要素から構成されており、「独自手法の開発」「人材の確保と教育・訓練」「ビジネスモデルと人材の管理」「ビジネスの組織化と革新に向けた事業開発」から成立しています。
素晴らしい能力を持つ人材に頼り、キーパーソンが抜けた途端にビジネスが崩壊する事例は数多く存在します。ターンキー革命の本質は、少数精鋭でビジネスを展開するのではなく、大勢の普通の人材でも活躍できるビジネススキームを構築することにあります。
「自分がいなくてもビジネスが回る」これがターンキーシステムの究極の目標です。
「仕組み化」によるビジネスの効率化
ターンキーシステムのような「仕組み化」は経営者だけに求められるスキルではありません。一人一人が自分の行動を「仕組み化」することで効率と生産性をあげるとができます。この章では、ターンキーシステムの応用についてご紹介していきましょう。
自分の行動を仕組み化できているか?
ビジネスパーソンに求められるのは組織から求められた成果を上げることですが、成果を上げる為にはパフォーマンスにムラがあってはなりません。モチベーションの上がらない仕事でも仕組み(この場合は行動パターン)化することで確実に行動の結果を残していきましょう。
例えば新規顧客へのアプローチや経費精算など「必要だと分かっているけど手が出せない」という業務ほど作業時間を設け、作業手順を仕組み化しましょう。「モチベーションが高いからやる」「低いからやらない」ではなく、一つのフローに取り込むことで機械的に業務を遂行していきます。
属人化を脱して次のステージへ
例え現場でエース級の活躍をしていたとしても、ビジネスにおいて次の段階で求められるのはマネジメントです。プロスポーツでも起こりがちですが「名選手が名監督とは限らない」という状況になってしまうと今後の出世は望めません。
自分の働き方にもターンキーシステムを取り入れ、自分の仕事に含まれている属人的な要素を仕組み化し、誰でもできるような体制を構築していきましょう。
スミタイ向上委員長のまとめ
レイ・クロックはハンバーガーではなくファストフードチェーンのビジネスモデルを売ることでマクドナルドを世界一のファストフードチェーンに育て上げました。
現在では共通のフォーマットを使用したSNSで海外の人と繋がるのが当たり前になりましたが、この原点の一つにターンキー革命が挙げられます。
ターンキー革命により様々なビジネスが世界中で同じ品質・内容で提供できるようになり、海外の人との共通体験や文化・価値観を共有する時代を生み出したのです。
これは一人ひとりの働き方にもいえることです。
いつまでも1人のトップセールスマンだけが達成できる働き方ではなく、10人の普通のビジネスパーソン全員が達成できる働き方にシフトチェンジできるように、見直せる自分の働き方はどんどん仕組み化していくことをおすすめします。
あなたが作った仕組みによって多くの普通のビジネスパーソンが成果を出す日が来れば、あなたに期待される役割は現場でのセールスではなくチームのマネジメントになるでしょう。
私も、ターンキーシステムによって皆さんが成功の階段を登っていくことを期待しています。株式会社スミタイでは採用活動がスタートしました。共に成長し、圧倒的な成果を出せるビジネスパーソンになりたいと考えている方のご応募をお待ちしております。ご興味をお持ちいただけた方はぜひエントリーしてください。「挑戦」と「結果」が報われる会社と社会を共に創っていきましょう!!