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顧客の心を開く「カタルシス効果」のポイントを解説

スミタイ向上委員長
スミタイ向上委員長
「顧客との信頼関係はどれだけ深めれば良いのだろう?」
「より顧客に信頼されるビジネスパーソンになりたい」
「カタルシス効果ってどんな効果?」

顧客と信頼関係を築くためには様々な心理テクニックが活用できますが、カタルシス効果はビジネスにおいて最も人間関係が深まっている状態で発揮される心理効果です。この効果を発揮させることができれば、顧客と十分な信頼関係が築けていると言っても過言ではありません

そこで今回は、カタルシス効果の概要や営業での活用ポイントについて解説していきましょう。

この記事で紹介する内容は以下の3点です。

  • 「カタルシス効果」はどんな心理効果?
  • カタルシス効果を営業で活用するためのポイント
  • カタルシス効果と併せて使いたい心理効果

「カタルシス効果」はどんな心理効果?

「カタルシス効果」はどんな心理効果?

まずは「カタルシス効果」とはどんな心理効果なのかを紹介していきましょう。

カタルシス効果によってストレスが緩和される

カタルシス効果とは、一言でいうと「ネガティブな感情を誰かに伝えることで心理的負担が緩和される効果」です。誰にも言えなかった悩みを家族や親友に打ち明けることでストレスが緩和されて心が軽くなることがありますが、これはカタルシス効果によるものです。

カタルシス効果の「カタルシス」とはギリシャ語で「浄化」を意味しており、哲学者として有名なアリストテレスが「心の浄化」と著書に記したことにより広く知られるようになりました。この言葉が「カタルシス効果」という心理効果として定着したのは、心理学者であるブロイラーがヒステリーを抱える人の治療にネガティブな感情を誰かに伝えることが有効だと発見してからです。

多くの方が経験している例としては「泣いてすっきりする」という感覚もカタルシス効果によるものです。

カタルシス効果を発揮するのはどんな場面?

カタルシス効果が発揮されるのは大きく分けて「泣くとき」と「ネガティブな感情を人に伝えるとき」です。「泣く」という行為にはストレスホルモンの排出やリラックス効果があります。ストレスホルモンが排出されるとストレスが緩和されるため心がすっきりするのです。

また、ネガティブな感情を人に伝えることもカタルシス効果を発揮するのに有効です。ネガティブな感情の多くは言葉にできない「イライラ」や「モヤモヤ」といった感情です。これらの感情を言葉に置き換えて発するだけで問題点や不満の原因が言語化されるため、感情を整理するのに役立ちます。イライラしていた原因がはっきりするだけでも心理的負担はかなり軽減されますが、これもカタルシス効果によるものです。

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カタルシス効果はビジネスに活用できる?

カタルシス効果は顧客の心を開くために活用できるため、ビジネスでも効果的であるといえるでしょう。特に顧客にカタルシス効果を発揮させることができれば、その顧客との信頼関係は磐石であるといえるでしょう

このような関係を築くことができれば、まず人間関係が理由で契約が解除されることはありません。ビジネスにおいて最上の人間関係を築けているともいえるため、顧客との信頼関係はこの状態まで引き上げることを目指しましょう。

カタルシス効果を営業で活用するためのポイント

カタルシス効果を営業で活用するためのポイント

カタルシス効果が心をすっきりさせるために有効な効果であることは理解できたでしょう。そこで、次はカタルシス効果を営業の場面で活用するための方法について解説していきましょう。

顧客との信頼関係を築いておく

カタルシス効果を発揮するために前提として必要なのが顧客との信頼関係です。初対面の状態でカタルシス効果を発揮するのは非常にハードルが高いため、まずは顧客との信頼関係の構築からスタートしましょう

顧客と信頼関係を築く状態を「ラポール」といいますが、ラポールを築くためには顧客の目を見て、顧客の話にしっかりと相槌を打つことから始めます。そして、顧客に「この人は私の話をしっかりと聞いてくれる」と思ってもらえるまで顧客の話に耳を傾けます。

カタルシスを促す時には「私で良ければ話を聞かせてください」と伝える

ラポールが形成できているのであれば、顧客の抱える問題が何なのかを聞くことは難しいことではありません。まずは「何かお困りの様子ですが」「いつもと表情が違います」など、顧客が何らかの悩みやストレスを抱えているかを確認し、問題があるようであれば「私で良ければ話を聞かせてください」と話題を振ってみます。この時、話したくないようであれば無理に引き出そうとせず、「必要な時にはお声がけください」と前置きして別の話題に切り替えていきましょう。

相手が話し始めたら、その内容は全て肯定する

顧客が悩みや不満を話し始めたら、話し終わるまで会話を遮ってはいけません。ただ相槌をうち、会話に詰まっても無理に声をかけずに沈黙を守ります。深刻な話をしている場合、沈黙は顧客が思考を整理している証拠ですから、無闇に自分から声をあげる必要はありません。ビジネスパーソンの中には沈黙を嫌い、常に何かしらの声を発する人がいますが、これは逆効果です。しっかりと沈黙が終わるまで待つことが大切です。

また、カタルシス効果を発揮するためには顧客の話題を全て肯定する必要があります。自分の主観によって意見を伝えるのではなく、苦しい心境を自分に打ち明けてくれている顧客の心情を肯定しましょう。すると、顧客は自分を受け入れてくれることに対して信頼を寄せるようになり、今後のビジネスもスムーズに進んでいくでしょう。

カタルシス効果と併せて使いたい心理効果

カタルシス効果と併せて使いたい心理効果

カタルシス効果を発揮するためにはラポールが重要であると紹介しましたが、それ意外にも効果を発揮するために有効なテクニックがあります。ここではそのテクニックについて紹介していきましょう。

自己開示

自己開示とは、自分自身のことを相手に伝える行為です。いわゆる「身の上話」というのは自己開示に該当します。ビジネスにおける自己開示として有効なテーマとしては「自分がなぜ今の仕事に就いているのか」「仕事のやりがいは何か」「今後のビジョンや方向性」といったものです。顧客は、何を考えているか分からない相手に対して心を開くことはありません。自己開示で自分の想いを伝えることで、顧客の心を開きやすくしましょう。

自己開示をする上での注意点は、「顧客の注意が自分に向いてから自己開示する」ということです。自分に全く興味を持たない相手に対して自己開示は効果を発揮しません。まずは、顧客の興味を自分に向けた上で自己開示するようにラポールを形成していきましょう。

親近効果

親近効果とは「最後に持ったイメージが最も印象深く残る」という心理効果です。親近効果はある程度の人間関係がなければ発揮しませんが、カタルシス効果を発揮させるほどの人間関係であれば親近効果は十分に効果を発揮します。

具体的な活用ポイントとしては、カタルシス効果を発揮した後はビジネスの話をせずに、次回に持ち越すことです。これにより顧客は次のアポイントまで「私の話を聞いてくれた理解者だ」という印象が持続し、時間の経過と共に深まっていきます。このような状態になれば次回ビジネスの話をしても良い印象が持続します。

逆に、カタルシス効果を発揮したアポイントで商談を進めてしまうと「結局は商売目的か」と思われてしまい、その印象が次回のアポイント以降も続くリスクがあるため、カタルシス効果を発揮した場合にはそのアポイントでビジネスの話を進めない方が無難といえます。

スミタイ向上委員長のまとめ

スミタイ向上委員長のまとめ

今回はカタルシス効果について解説してきました。顧客に対してカタルシス効果を発揮させることができるビジネスパーソンは強固な信頼関係を築けているといえるため、顧客との信頼関係の到達点ともいえるでしょう。人間関係には相性もあるため、全ての顧客にカタルシス効果を発揮させることは難しいかもしれませんが、できるだけ多くの顧客に対してカタルシス効果を発揮できるよう、顧客と親密なコミュニケーションを築いていきましょう。

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